ライツ・ラボ

グラフィック実績

言葉では伝えきれない、会社の姿を。 ビジュアルで語る、50年のものづくり。

50周年記念誌

ホクエイ設備工業株式会社

広島市安佐南区に本社を置くホクエイ設備工業株式会社は、管工事・設備工事を中心に、地域のインフラを支え続けてきた企業です。創業50周年という節目を迎えるにあたり、これまでの歩みを後世に残すとともに、未来への意欲を表現するツールとして記念誌の制作を担当しました。既存資料や写真が少ない中、「一般的な社史にとどまらず、会社の個性を生かしたい」という社長の強い思いを受け、文章よりも「見せる力」を重視した、ビジュアル中心の構成を提案しました。

上製本の表紙には、管工事業の象徴でもあるパイプの質感を想起させる「MagカラーN アスターブルー」を採用。ブラック・ホワイト・シルバーの3色印刷で構成し、堅実さの中に静かな品格を感じさせるデザインとしました。製本は特殊仕様で、表紙裏側に本誌冊子を、裏表紙裏には蛇腹に畳んだ年表をそれぞれ貼り合わせる二層構成。開いた瞬間から立体感と奥行きが感じられる設計で、ページをめくる行為そのものが「50年の歩みをたどる体験」になるよう意図しています。

誌面構成は、視覚的な流れと感情の起伏を意識してデザインしました。前半は、資材や施工現場をモチーフにしたイメージカットと、社員一人ひとりのポートレイトを散りばめたグラビアページ。中盤には、世代を超えて集めた社員メッセージのスクランブルを配置し、企業の熱量と一体感を表現。後半には、協力会社やOBから寄せられた言葉を、あえて余白を生かしたレイアウトで掲載することで、節目の重みと人のつながりを感じさせる構成にしています。

巻末に収録した年表は、創業から現在までの出来事を包み隠さず網羅し、世界・国内・広島県内のトピックと並行して紹介。単なる年次記録ではなく、時代の流れの中で企業がどのように歩みを重ねてきたかを俯瞰できる内容としました。イラストを随所に添え、懐かしさとユーモアを感じさせる表現も加えています。

限られた資料の中から生まれたこの一冊は、単なる過去の記録ではなく、ビジュアルを通して企業の「誠実さ」と「挑戦の軌跡」を伝えることを目的としたものです。手に取った瞬間にホクエイ設備工業という会社の姿勢が感じられる、見る・読む・感じる三位一体の記念誌に仕上がりました。

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