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広島県道路公社
広島県道路公社(HPRC)は、広島県内における有料道路や橋梁の維持管理・運営を通じて、地域の交通基盤を支え続けている公的機関です。単に道路をつくり、守るだけでなく、県民一人ひとりに道路や橋の意義を伝え、身近に感じてもらうことも大切な使命と考えています。その取り組みの一環として制作されたのが、イベント配布用の「安芸灘大橋ペーパークラフト」です。
モチーフとなった安芸灘大橋は、呉市と下蒲刈島を結ぶ美しい吊り橋。地域の暮らしや産業を支える重要な交通インフラであり、その構造美もまた多くの人々を惹きつけています。このペーパークラフトは、子どもから大人まで幅広い層が楽しめるように、立体的に組み立てる「ものづくりの面白さ」と、完成までの「つくりやすさ」のバランスを丁寧に設計しました。
デフォルメ設計にあたっては、実際の橋の図面をもとに構造を読み解き、塔・ケーブル・橋桁といった要素を紙上で再構築。橋を支える仕組みや構造の妙を、組み立ての過程で自然に理解できるよう工夫しています。トムソン加工を施したA3サイズの厚紙3枚1組で、完成時には高さ約92mm × 幅100mm × 長さ380mmの立体ジオラマが完成します。
見て、つくって、学ぶ——。
このペーパークラフトは、ただの工作キットではなく、地域のシンボルである橋を通じて「構造物に興味を持つきっかけ」を届ける教材でもあります。イベントで受け取った方が、つくる楽しさの中から「橋のしくみ」や「土木の仕事の魅力」に触れ、未来の技術者を夢見る第一歩となるように。そんな願いを込めて、一つひとつの形状とデザインを仕上げました。