グラフィック実績
クニヒロ株式会社
広島県尾道市に本社を置くクニヒロ株式会社は、かき加工食品を中心に、水産食品の製造・販売を行う企業として、長年にわたり「海の恵み」を食卓へ届けてきました。創業65周年を迎えるにあたり、その歩みを記録し、次代へと受け継ぐための記念誌を制作しました。
本誌制作にあたっては、(1)過去を振り返りながら未来を見据えること、(2)社員とその家族にも親しみやすい内容にすること、(3)今後の経営に役立つ実用的な一冊にすること、という3つのポイントを重視。単なる社史にとどまらず、「読むことで未来が見える記念誌」を目指しました。
構成は「過去」「現在」「未来」の3章立て。第1章では「クニヒロ3代のあゆみ」と題し、創業者から現会長、そして現社長へと続く経営の軌跡を、会長の視点を軸に紀伝体形式でまとめました。企業成⻑時の苦労や挑戦、転機などを丁寧に描き出しています。
第2章では「会社の今」をテーマに、社員が主役のページを展開。現場で働く姿や社内の雰囲気を多数の写真で紹介するほか、「5年後の約束」として、創業70周年時に達成したいこと・実現したい夢を社員一人ひとりが語る企画を掲載しました。働く人々の声を記録することで、未来のクニヒロを自ら描くきっかけとなる構成としています。
そして第3章では、会長と社長による対談を収録。これまでの歩みと今後の展望を語り合い、中期・長期の経営ビジョンを明示することで、企業の方向性を共有できる内容に。「言葉として残す」ことで、次の世代の判断基準となるよう意識しています。
デザイン面では、周年の重みを感じさせつつも、柔らかで品のあるトーンに仕上げました。さらに、飛び出す絵本を思わせるギミック付きケースを制作。遊び心のある仕掛けを施すことで、記念誌そのものが「記憶に残る体験」となるよう工夫しています。
創業から65年。海と人、そして地域に育まれながら歩んできたクニヒロの軌跡を、一冊に凝縮。
歴代の思いを受け継ぎ、未来への道を照らす周年誌となりました。