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あそび心が、学びを動かす。 言葉とデザインで記録する、3年間の軌跡。

「K-STEAM類型」創設3年間の軌跡

広島工業大学高等学校

世界的に注目を集める教育概念「STEAM教育」。
その理念を独自の形で実践するのが、広島工業大学高等学校が展開する 「K-STEAM類型」 です。Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Art(芸術/教養)・Mathematics(数学)を横断的に学び、未来社会で活躍できる力を育むプログラムとして、創設以来、実践的な探究と創造の場を築いてきました。

今回制作した冊子は、そのK-STEAM類型の創設から3年間の軌跡をまとめた記録として、学校関係者や地域、教育関係機関など、より多くの方に取り組みの全体像を伝えることを目的としています。

広島工業大学では、STEAMの「A(Art)」を「遊び心=Playfulness」と再定義しており、デザイン面でもその理念を体現。ページをめくるたびに知的好奇心が刺激されるよう、言葉とビジュアルが響き合う構成を意識しました。特に表紙デザインでは、K-STEAM類型のキーワードを散りばめたタイポグラフィ構成にシルバーインキを重ね、光の角度によって印象が変化する仕上がりに。白い紙面の中で浮かび上がる言葉が、「K-STEAMが歩んできた時間とこれからの方向性」を象徴しています。

誌面の中核となるのは、先生方や生徒への取材記事。現場のリアルな言葉を丁寧に拾い上げ、見出しコピーの一つひとつにも思考と熱量が宿るよう構成しました。また、授業やプロジェクトで生まれた生徒たちの作品を多数掲載。彼らの感性や創造力を可視化することで、「学びが形になる」K-STEAM類型の魅力を視覚的にも伝えています。

誌面全体は、硬さに偏らず柔軟なトーンで設計。教育の真面目さと、創造する楽しさが共存する世界観をデザインで表現しました。研究発表や地域連携、学生主体のプロジェクトなど、3年間で積み上げてきた挑戦の記録を「読む・見る・感じる」一冊としてまとめています。

4年目以降も、K-STEAM類型は進化を続けています。
この冊子が、広島工業大学高等学校の「あそび心のある学び」の精神を次の時代へとつなぐ、確かな記録となることを願っています。

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