グラフィック実績
トリニティカレッジ広島医療福祉専門学校/トリニティカレッジ出雲医療福祉専門学校
広島県と島根県に拠点を置くトリニティカレッジ広島医療福祉専門学校とトリニティカレッジ出雲医療福祉専門学校。福祉・介護・保育など、人の暮らしを支える専門職の育成に長年取り組んできた2校の学校案内パンフレットを制作しました。これまで長きにわたり継続してご依頼をいただいており、今回のコンセプトは「日々を過ごしていくことの愛おしさ」と「その中で見つけるトクベツ」。日常を肯定する温かな世界観を軸に構成しています。
両校に共通するテーマを持ちながらも、それぞれに異なる視点を設定しました。出雲校のテーマは「An ordinary day~なんでもない日~」。何気ない日常こそが尊く、福祉や保育が支えるのは“穏やかな日々”であるという理念をもとに制作しました。学生の朝の風景や子どもと遊ぶ時間、お年寄りとの会話のひとときなど、何でもない日々の連なりを追う構成とし、プロローグからエピローグまで柔らかな光に包まれた時間を表現。福祉の本質を「平穏な日常」という視点から伝えています。
一方、広島校のテーマは「Today is special~まいにちが特別~」。日々の中で小さな発見や成長を積み重ねる喜びを「特別な日々」として描きました。友人と笑い合う時間、施設での触れ合い、学びの達成感など、学生にとってのトクベツな瞬間を無機質な背景とジオラマ的構図で際立たせ、日常に潜む特別さを視覚的に浮かび上がらせています。
デザインは両校に共通して温かみと物語性を感じさせるトーンで統一しました。イラストレーターによる柔らかなタッチが「日常の愛おしさ」を包み込み、写真は事前演出を最小限に抑え、現場の自然な表情や光を活かした撮影でリアルな温度を伝えています。広島校では各学科ごとに配置した白いオブジェを象徴的モチーフとし、知識の継承や人生の歩みなど、目に見えない価値を造形的に表現しました。
今回のパンフレットは、「なんでもない日」と「毎日が特別」という対照的な視点を通じて、福祉と保育の現場で生きる人の温かさを描いた一冊です。学生たちが過ごす何気ない日常の中にこそ、福祉の原点があることを伝える、日常を愛おしむ学校案内となりました。