パッケージ実績
株式会社FARMRES PROFIT
日本の伝統文化を次世代へとつなぐ新たな挑戦から生まれた日本酒「一味神水」は、杜氏・農家・神主という異なる世界の若き担い手たちが結集し、ひとつの思いを形にしたプロジェクトから誕生しました。その象徴である「一味神水」という名は、神前に集い一盃の神水(神酒)を共にいただき、志をひとつにする古来の儀式「一味神水」に由来しています。
使用されている酒米は、無農薬・化学肥料不使用で育てられた「春陽」。環境への負荷を抑える持続可能な農法が評価され、農林水産省の認証を受けた高品質米です。通常は食用米として知られるこの品種をあえて日本酒の原料として採用し、精米歩合70%で醸すことで、ライチや白ブドウを思わせるような香りと、透明感あるキレの良い後味を実現しました。
本デザインでは、この壮大なプロジェクトの精神を体現するため、日本酒ラベルのデザインから瓶・キャップのセレクトまでトータルディレクションを担当。神主による題字を中央に据えた初期案から出発し、最終的には「余計なものを削ぎ落とす」という方向性へと再構築しました。ラベル用紙には、やわらかく純白な「和紙コットン」を採用し、「一味神水」を象徴する盃のシルエットをクリア箔で表現。瓶は霧がかったようなフロストガラス、キャップはツヤ消し銀に白で塗装されたもので統一し、神聖で凛とした佇まいを演出しています。
一切の装飾を排し、光と余白で語る「究極の引き算デザイン」。神に捧げる清酒にふさわしい静謐な存在感を持ち、伝統と革新の交わる美を体現した一本となりました。