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パッケージ実績

世羅の恵みを包み、未来へ結ぶ。 米どころの思いが届く、「こめ福」のかたち。

米粉「こめ福」

雪月風花 福智院

雪月風花 福智院は、広島県世羅町にある宿泊・カフェ・地域交流を通じて「世羅の魅力を伝える拠点」として活動する施設です。世羅高原の豊かな自然と、人とのご縁を大切にしながら、地域の食文化や素材を活かした商品づくりにも積極的に取り組んでいます。その取り組みの一つとして誕生したのが、世羅産の米粉を使った「こめ福」ブランド。米どころとしての歴史を未来へとつなぎ、地域の営みを支えることを目指した米粉スイーツシリーズです。

世羅の米は、平安時代から「良質な荘園米」として知られ、高野山への献上米としても記録が残るほど。その美味しさは昼夜の寒暖差が生む豊かな味わいにあります。しかし現代では米農家の減少や耕作放棄地の増加といった課題もあり、この米の価値を次世代へと継承するために、米を原料とした新たな商品開発が始まりました。「こめ福」は、米粉を適正な価格で買い取り、その魅力を多くの人へ届けることで、地域の循環を支えるブランドとして生まれたのです。

今回デザインを担当したのは、「世羅米パンケーキミックス」と「米粉のおやつ・おつまみシリーズ」。パンケーキミックスは、店舗で人気の米粉パンケーキと同じレシピを使い、「お店の味を自宅で」をコンセプトに設計されました。パッケージは、米を使用した商品であることが直感的に伝わるよう、「米袋」をモチーフに。紅白のシンプルな配色で和の上品さを表現し、紐を結ぶ部分を赤にすることで水引を連想させ、「人と人・地域と地域を結ぶ」という思いを込めました。実用面でも、2枚分ずつの個包装とすることで計量の手間を省き、誰でも手軽に美味しく焼ける設計としています。

また、「米粉のおやつ・おつまみシリーズ」は、一枚一枚の風味と食感をじっくり味わってもらうために、保存性と使いやすさを兼ね備えたチャック付き袋を採用。世羅町産の米粉をベースに、レモンや茶、塩、落花生など、できるだけ広島の里山・里海の恵みを生かした味わいを展開しています。

世羅の自然と人の営みが息づく「こめ福」のパッケージは、単なる食品デザインではなく、「地域の思いを包むデザイン」として、ひとつひとつの結び目に物語を宿しています。

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