グラフィック実績
大和重工株式会社
大和重工株式会社は天保2年(1831年)、江戸時代に創業。「たたら製鉄」の精神を受け継ぎながら、鍋、羽釜、五右衛門風呂や鋳物ホーロー浴槽、産業・工作機械や船舶の鋳物部品など幅広い鋳物製品を究め続けています。
私たちが制作したのは、災害時やイベントなどの炊き出し調理で利用する「移動かまど」のパンフレットと展示会用のツールです。近年自然災害の備えとしてニーズが高まっていますが、制作にあたって、まず大和重工さんから語られたのは、単なる便利な防災用品としてPRするのではなく、どんなときも人々の希望となり得る「一杯のごはんの力」を伝えたいという思い。そして「移動かまどにできること」を知っていただき、たくさんの人に活用していただくことで、温かなつながりが広がる世界を実現したいという、熱く真摯な願いでした。かまどにかける熱量と、かまどが生み出す温もりを大切に、丁寧に、デザインや文章表現に落とし込みました。
開発のきっかけは、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災での被災地支援。現地で大和重工の皆さんが目にした光景、湧き上がった感情、そこから始まった開発ストーリーや、かまどに込めた思い、かまどがある風景とそれを囲む人たちの姿…これらを1ページ1ページから臨場感をもって感じ取ってもらい、共感をもって理解を深めてもらえるよう、紙の風合い、色味、角丸や箔の入れ方、書体などのビジュアルや文章表現を試行錯誤しました。同様のコンセプトをベースに、各種展示会用ツールでもイメージ統一を図っています。
同じタイミングで制作した公式サイトとも連動しており、パンフレットでは移動かまどに関する基本的な情報を知っていただき、ウェブサイトではさまざまな活用方法やお役立ち情報を随時発信・更新していくというように、それぞれに役割を持たせてすみ分けています。
《「移動かまど」サービスサイト 実績紹介》
https://lights-lab.jp/performance/e5fnu1t42b.html