創業者の思いを起点に、未来へとつなぐ一冊に。 社員一人ひとりが誇りを持てる、記憶と記録をかたちに。

東広島市に本社を構える「株式会社陸地コンサルタント」は、測量業としての創業からはじまり、建設コンサルタント業、地質調査業、補償コンサルタント業へと領域を広げ、社会資本整備の現場を支える総合建設コンサルタントとして発展を続けてきました。私たちは、その60年という節目に向けた周年誌の制作を担当しています。

制作の起点となったのは、今は亡き創業者の人となりをたどること。関係者への取材に加え、生前に記されていた書籍から創業当時の手記を引用し、創業の原点とそこに込められた思いを、今を担う世代へと伝える構成としました。

また、起業当初の測量業、そして現在の中核事業である設計業──いずれも社会の基盤や環境づくりに深く貢献してきた仕事です。その意義を可視化するため、社会的な影響度の高い12のプロジェクトを厳選し、実績として誌面に掲載しています。

周年誌は、単なる回顧録ではありません。これからの歩みに目を向けるための、起点にもなり得ます。ベテラン社員やOBによる座談会に加えて、次代を担う若手社員による座談会も実施。さらに、社員一人ひとりの現在を映し出す全社員ポートレートや、昔と今の測量事情を比較するグラフィック企画も盛り込み、時代の変遷とともにある会社の姿を多角的に描き出しました。

自らが登場する誌面は、単なる記録としてだけでなく、心に残る記憶として、社員一人ひとりの中に刻まれます。節目のタイミングだからこそ、「今」と「これから」を見つめ直す。その媒体となる一冊を、丁寧にかたちにしていきました。