福山市内海町田島で育まれた牡蠣づくりの思いを届ける
2019年1月に発行した『ひろしま食べる通信』の海苔号で特集したマルコ水産。その取材当時からスタートしていた牡蠣養殖が順調に推移し、今では1年中生牡蠣が楽しめる「惑香」として商品化されています。その「惑香」の販売力を高めるために、商品のコンセプトとつくり手の思いを伝えるリーフレット、配送時に活用するスリーブと梱包テープを制作しました。
【惑香ロゴタイプ】
全体のフォルムは「惑わす香り」の名前の通り、海の波のようにゆらゆらと香りが漂うようなイメージで制作。「マドモワゼル」という響きも商品名のコンセプトにあることから、文字の曲線に女性的かつ少し西洋風な印象を感じられるよう工夫し、墨だまりの表現は「海のミルク」と呼ばれる牡蠣のクリーミーな食感を意識しています。曲線の中には力強さを感じさせる太い部分と、繊細さを表現する細い部分があり、はえ縄式と杭打ち式という飴と鞭のメリハリある環境下でじっくりと育てられてきた牡蠣であることを表現しています。
【リーフレット】
表面は展開するとポスターとしても活用できるよう、「惑香」ロゴタイプを大きくあしらい、田島の海、商品コンセプト、牡蠣だけで表現したシンプルな構成にしています。
裏面は第三者視点で記事風に仕上げ、読み進むことでつくり手の思いやこだわりを知ることができる構成にしています。紙面下層には田島周辺の海の様子をイラストタッチで掲載。どのような海から届いた牡蠣なのかを知ってもらう工夫しています。
【スリーブ】
白と黒をメインカラーに、潔くインパクトあるデザインにしました。波打つシルエットは牡蠣の殻と海の波を表現。スリーブケースの面から見切れるほど大きいそれは、田島の海で長い時間と手間をかけて豊満に育った惑香そのものをイメージしています。また、青いモチーフは田島の海の色や香りが漂うさまを意味しており、牡蠣のシルエットの前後にそのモチーフが点在することで、田島の海流に揺られながら育ってきた惑香のバックグラウンドを表しています。
【梱包テープ】
ロゴやタイポに大小のサイズ差をつけたりタテヨコに置くなどして、単調にならないようリズムをつけたデザインをめざしました。