学園創立者の存在を身近に感じ、共感するインナーパンフレット
広島市にある中四国最大級の学校法人「安田学園」の創立者である安田リヨウ氏を、学園内の生徒や教職員に紹介するパンフレットです。
没後40年以上が経過し、また生前の功績から想起される謹厳実直なイメージが先行し、現代の学園関係者から遠い存在になりつつあるリヨウ氏ですが、数々の挫折や困難に向き合いながら懸命に生きた一人の女性です。「女性に教育はいらない」と言われた明治時代にあって、決してあきらめることなく学び続け、自らが教育者として生きる道を見出し、後に続く女性が学ぶ道を拓いた人でした。
寒さの厳しい季節に、その年のどの花よりも早く咲くことから、「百花のさきがけ」と呼ばれる「梅」の姿に、自立した女性の先駆けとなったリヨウ氏の姿を重ねて、パンフレットのタイトルを「さきがけの花」としました。
梅はまた、品格を磨き知恵・技術の鍛錬を説く、学園訓“柔しく剛く(やさしくつよく)”を表す存在として、リヨウ氏が愛した花木でもあります。
4章立ての本冊子は、転機となる出来事を時系列の記事で紹介しています。各記事は見出し・写真・イラスト・コンパクトな文章で構成し、リヨウ氏の人生を一気に読み、理解できるようデザイン・レイアウトを工夫しました。
表紙と本文には、リヨウ氏が学園に遺した文化の一つ「水引」をモチーフにした「道」を表すラインを配し、人生の比喩として、また読み進む方向を示すオブジェクトとして活用しています。